こころねが目指すグリーフケア

死化粧師としてのグリーフケア

 

 さて、ご遺族の言葉を傾聴、そして対話をすること、適切なコミュニケーションを図ることは何よりも大切なグリーフケアの一歩。

 

 死化粧を綺麗に施すこと、適切な処置をすることを前提として、心音では「死化粧師」として出来るグリーフケアに注目しています。

 


 

心音が目指す葬送の連携

 

 現代葬儀では、その仕事内容自体が様々な分野に分かれており、遺族の悲嘆に関しては軽視されつつあります。
 本来であれば一番重視されるべき部分が、どんどん省かれてしまい、葬儀の軽量化だけが進んでしまっています。

 

 また、悪気のない一言や行動で悲嘆を抱える方が二次被害、三次被害と心に傷を受けることも珍しくありません。

 

 死は医師や家族の意志によってコントロール出来る時代になり、宗教観の変化によって死生観が変わり、死後の世界については個人がひとりひとりで考えなければいけなくなってきました。

 

 このような時代ですから、間違っても我々葬儀従事者が携わっていながら、気がつけば遺族が悲嘆の中に置き去りになっていた……というようなことは避けなければいけません。
 コミュニティが縮小した今、それぞれが孤独の中にいる現代の私たちにとって、本当の意味で力になれるお葬式を執り行えるかどうか試されてきています。

 

 グリーフのリレーは故人の最後を看取られた方(看護師、施設の方など…)の思いから始まり、葬儀に携わる各パートのプロフェッショナル達(搬送業務、葬儀担当、司会、花屋、ギフトなど…)の、リレーのバトンをいかに上手に渡せるかを今、葬送現場では求められています。

 

 各分野の葬儀従事者が連携して、よりよい「お葬式」を作ること。これが我々にできる心ばかりのグリーフケアであり、現代葬儀における目指すべき形ではないでしょうか。

 

平岡 佳江
私は、これまで自分自身や、たくさんの方々の悲嘆、悲しみと遭遇し向き合ってきました。これからは一歩ずつ、ゆっくりと歩を進める人生のなかで、死化粧師としてできることを探求し続け、こころねとご縁ある方々のグリーフを大切にケアしてゆけるよう精進して参ります。