おくり化粧 (死化粧)

ラストメイクと言われる、亡くなられた直後に病院などで施される化粧とは少し異なります。死後の変化によって伴うお顔色の変化に対応したり、傷痕を隠すなどがこころねで施させていただくおくり化粧です。亡くなられたあとのご遺体は、個人差はあれど、確実に変化し続けます。元気なころの「その人らしさ」は容赦なく遠のき、「亡き人」へと変わりゆきます。「死」を受け入れることは必要かもしれません。ただ、せめてその身を荼毘にふすまでは安らかで「その人らしい」お顔を見つめて近くに感じられることが出来ればと思う。死化粧師は、目や鼻や耳から、どんなに小さな情報も漏らさぬよう拾い、故人の特徴や家族構成、好きな配色などを探し出さなければいけない難しい仕事である。また直観や経験なども実際役に立っている。

平岡 佳江
私は、これまで自分自身や、たくさんの方々の悲嘆、悲しみと遭遇し向き合ってきました。これからは一歩ずつ、ゆっくりと歩を進める人生のなかで、死化粧師としてできることを探求し続け、こころねとご縁ある方々のグリーフを大切にケアしてゆけるよう精進して参ります。